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「勲章」(永井荷風・昭和17年)

2008年2月27日(水) 晴  「勲章」(永井荷風・昭和17年)読了。この小説を学生時代に読んだ記憶がある。しかし、その題名以外、憶えていることは皆無だった。卒業論文の主題は「戦後文学の思想と方法」、織田作之助、坂口安吾、石川淳、太宰治など、いわゆる「新戯作派」の作物に言及した内容であった。要旨は、戦前の「家父長制」に基づいた「醇風美俗」の生活意識と対峙し、身を賭して闘った文学は「新戯作派」を措いて他にない、というような稚拙きわまるものであった。そもそも「新戯作派」というからには、「旧戯作派」なるものが存在しなければならないが、それが何という作家のどんな作物であったか、私は全く知らなかったのである。今あらためて「勲章」(その他の作物・「夢の女」、「狐」「監獄署の裏」「散柳窓夕栄「雨瀟瀟」「雪解」「榎物語」「ひかげの花」など)を読み直し、なるほど、永井荷風こそ「旧戯作派」の旗手であったのかという思いを深くした次第である。  荷風が描く人物は、そのほとんどが「ひかげ」の存在である。妾、私娼、女給、そのヒモなどというように、「健全」「道徳」といった観念とは無縁の空間で生活している人々である。おそらく、荷風の小説を「読む」こともないであろう。つまり、荷風が描く人物と読者には「接点」がない。荷風自身といえば、近代の「柳亭種彦」よろしく、戯作者を気取っているが、決して「ひかげ」の存在になることはない。羨ましいといおうか、中途半端といおうか、甘ったれといおうか、図々しいといおうか。そのあたりが「旧戯作派」と「新戯作派」の「違い」なのかもしれない。
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(2010/09/28)
永井 荷風、永井 壯吉 他

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