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浅草「劇団武る」と十条「劇団九州男」

2008年2月15日(金)晴
 正午から、浅草木馬館で大衆演劇観劇。「劇団武る」(座長・三条すすむ)、前回、芸名がわからなかった役者がわかった。若手・中村直斗、都たか虎、都ゆうたろう、夜桜紫龍、女優・都美千代、都なつき、都かれん、それにベテラン・中山大輔といった面々である。芝居は「笹川乱れ笠」(「天保水滸伝」の外伝?)、笹川繁蔵が飯岡助五郎の放った刺客(旅鴉・座長)に殺される筋書であった。本格的な「任侠劇」で、「実力」も申し分なにのだが、「息抜き」(力を抜いて客を笑わせる)場面が全くなかった。それはそれでよいと思うが、ではどこを「見せ場」にしているのだろうか。刺客が笹川一家の代貸し・子分達に「わざと討たれる」場面、血糊を使って壮絶な風情を演出しようとする意図は感じられる。だが、客の反応は「今ひとつ」、表情に明るさが見られなかった。やはり、観客は、笑いのある「楽しい」舞台を観たいのだ。舞踊ショーでは、藤千乃丞の「お蔦」、座長の「愛燦々」(いずれも女形)が印象に残った程度で、全体的に盛り上がりに欠けた。舞踊に使う音楽は、それ自体が「鑑賞に耐えられる」ものを選ぶべきだと思う。吉幾三、鳥羽一郎、林あさ美、氷川きよし等、「二流どころ」の歌は聞き飽きた。「不満足」な気持ちを引きずりながら、東十条に向かう。
 午後6時30分から、篠原演芸場。「劇団九州男」(座長・大川良太郎)。入場者の行列に並びながら、表看板の役者名を大急ぎでメモする。それによると、「大川良太郎、日本正美、三條千尋、たくや、みずき剛、九条かおり、むらさき要、東城真紀、三村由布子、金沢伸吾、杉九州男」とあった。こちらの劇場は「大入り」、顔見世ミニショーの舞台から、楽しく明るい雰囲気が漂う。三條千尋とむらさき要の相舞踊は、ほとんど「座ったまま歩く」という曲芸に終始していたが、その表情、所作が「楽しく」、観客の笑いを誘っていた。昔、梅澤武生が「お客さんは日頃の疲れ・ストレスをとるために来ているのだから、明るく楽しい舞台になるよう心がけている」というような話をしていたが、まさにその通りで、「楽しい」ことが大衆演劇の条件なのである。芝居の外題は「ザ・○○」(○○は失念)、会津小鉄一家の外伝で、いわゆる「間男征伐」の、他愛もない筋書だったが、それぞれの役者が適材適所に配置され、十分に楽しめた。特に、新人(23歳)のみずき剛が「用心棒の先生」(ちょい役)に抜擢され、たどたどしいセリフ回し、刀使いが、未熟なだけに初々しく、一つの「魅力」に変化(へんげ)してしまうという、大衆演劇ならではの舞台を観ることができた。舞踊ショーの番付も、若者向けの洋舞あり、その直後は年寄り向けの日本調ありで、「次は何だろう?」という客の期待を裏切ることはなかった。座長の「里見要次郎」もどきは徹底し、さらに磨きがかかった(自分の芸風に自信をもった)ように感じる。杉九州男の芝居・舞踊・歌唱も「一流」、特に「さざんかの宿」の歌声は、鹿島順一の歌唱に勝るとも劣ることはなかった。(歌手・大川栄策よりも優ることはいうまでもない)
 「劇団武る」と「劇団九州男」を比べると、役者の実力において「差」はない。「演出」の方向が違うのだと私は思う。どうやって客の耳目を惹きつけるか、前者は、誠心誠意まじめに「演じる」(熱演)方向、後者は客の反応を見ながら(呼吸をはかりながら)柔軟に「演じる」(軽演劇)方向を目指しているように感じる。過日観た芝居、「劇団武る」の「おさん徳兵衛」は、「ザ・○○」よりも「格が上」、しかし、今日の「笹川乱れ笠」よりも「劇団・九州男」の「ザ・○○」の方が楽しく、面白かった。ことほどさように、大衆演劇の舞台は、文字通り「浮草物語」で「仕掛け花火」に似た「儚さ」が漂っているといえるだろう。
浅草での「不満足な気持ち」を払拭し、東十条から帰路についた。




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