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大衆演劇「もどき」の《劇団朱雀》

2008年11月5日(水) 晴
 午後0時30分から、佐倉湯パラダイスで大衆演劇観劇。「劇団 朱雀」(座長・葵陽之介)。「劇団紹介」によれば、〈プロフィール 劇団朱雀 平成14(2002)年、「葵劇団」より独立。新進劇団らしく、さまざまな芝居やショーに挑戦し、工夫を重ねている。座長の長男である早乙女太一、次男のお祭り友貴の成長も、大いに期待したいところ。座長 葵陽之助 昭和44(1969)年1月29日生まれ。福岡県出身。血液型B型。初舞台17歳。「葵一門」の葵好次郎座長に憧れて入門。平成13(2001)年、独立。オリジナルの芝居やショーにも挑戦し、評価も高まっている〉とある。また、キャッチフレーズは、〈舞台と客席が一体になる工夫がいっぱい。葵一門(座長・葵好次郎〉の門下。映画「座頭市」、「TAKESIS」に出演した早乙女太一は座長・葵陽之介の長男です。師匠譲りの本格芝居と、華やかさ、独創性を大事にしたショーを心掛けており、大衆演劇ならではの元気と活気にあふれた舞台が楽しめます〉であった。
 今や、早乙女太一は時代の寵児、「大衆演劇界のプリンス」なのだろうか、今回の公演には、明日から3日間の出演が決まっているだけで、以後は未定とのことである。今日の客数は、昼の部50名前後、夜の部20名前後で、「並みの劇団」の集客力と変わらないが、ひとたび太一出演となると一枚千円の「特別観劇券」が飛ぶように売れるとか・・・。キャッチフレーズにもあるように、葵一門は「師匠譲りの本格芝居」を心掛けていることは「おっしゃるとおり」、しかも「真面目」「上品」な風情が漂い、どこか「素人っぽい」雰囲気が魅力となっている。件の映画・「座頭市」は封切直後、私も見聞した。以下は、その時の感想である。                              

 〈最近評判の「座頭市(北野武監督・松竹)」という映画を見た。正直言って驚いた。何だ,これは,これが映画と言えるのか,というのが率直な感想である。世界的に高い評価を得て,ナントカ賞とやらを獲得したそうだが,そのことに一番びっくりしたのは,他ならぬ監督・北野武自身ではなかったか。「映画とは,連続撮影したフィルムを映写機によってスクリーン上に投影し,一連の映像を生じさせるもの」という定義に従えば,「座頭市」はたしかに映画だ。しかし,映画はまた「現代の最も総合的な芸術・娯楽・教育・報道の手段」でもある。「座頭市」は,総合的な芸術という観点から見て(娯楽という観点から見ても),鑑賞に堪えられる作品ではなかった。「筋書きのないドラマ」という言葉があるが,「座頭市」は,まさに「筋書きのない場面」の寄せ集め・連続にすぎず,ドラマとは無縁の作物であった。登場人物の身辺情話,心理描写,長ぜりふ等は「冗長に過ぎる」という判断からか極度に省かれ,「鑑賞者が勝手に想像してくれ」という「まる投げ」の意図が「見え見え」であった。しかし,想像しようにもその手がかり(言語世界)が皆無なので,要するに「何がなんだか分からない」まま終末を迎えることになる。なるほど,視覚障害者・座頭市は強い。「見ればわかる」場面の連続だから,言葉(せりふ)は,劇画の吹き出し程度で十分だろう。ほとんど無表情の無言劇に近かった。外国人でも「見ればわかる」にちがいない。でも,全編を通して何が「分かった」のだろうか。目をつぶれば,「よく聞こえる」「鼻が利く」のはあたりまえだ。目が開いているから「見える」わけではないことくらいは誰でも知っている。劇画を意識した断続的なカットや俳優の「表情」,寄席芸(色物)の挿入,黒澤映画「用心棒」そのままの殺陣,終幕の群舞(タップダンス)等々・・・,北野武の演出は多種・多彩ではあったが,冗長に過ぎた。かつての日本映画には,寄席噺を曼陀羅のように織りこんで展開される「幕末太陽伝」(川島雄三監督・日活),忍者の行軍を鮮やかに洋舞化した「真田風雲録」(加藤泰監督・東映)といった傑作があったことを,ペダンチスト北野武が知らないはずがない。だからこそ,もともと「遊び」で作った「座頭市」などという代物がナントカ賞を贈られるなんて,「信じられない」というのが彼自身の偽らざる本音ではないだろうか。

 早乙女太一については触れずじまいだったが、大衆演劇の役者にしては「無表情」、身のこなしが「素人っぽい」という印象を受けた。なるほど、父親が葵一門、葵好次郎座長に憧れて入門、初舞台が17歳ということであれば、納得できる。まさに「血は争えない」、時代の寵児・早乙女太一にも、その父・葵陽之介にも、いわゆる「旅芸人」の血は流れていなかったのである。「大衆演劇ならではの元気と活気にあふれた舞台が楽しめます」というキャッチフレーズは「大衆演劇もどきの舞台」と言い換えたほうがピッタリではないだろうか。   
 芝居の外題は、昼の部「忠治馬子唄日記(?)」、夜の部「恩愛夫婦傘(?)」、いずれも、ただ一人の「旅芸人」(鈴花奈々・好演)を取り巻く「素人っぽい」役者たちの絡み合い、といった景色で、文字通り「大衆演劇もどきの舞台」だったと思う。座長の口上にもあったように、早乙女太一、並びに「劇団朱雀」の芸能活動は「大衆演劇」オンリーではない。そのあたりが、この劇団の特長ではないだろうか。
佐倉湯パラダイス、橘菊太郎(橘大五郎)、浅草大勝館、ビートたけし、「座頭市」、そして現在の早乙女太一といったネットワークを(粘り強く)構築した座長の「手腕」に、拍手を贈りたい。
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